「凄まじい」という言葉しか思いつかない。
Delphine Dora さんが来日ツアー! しかも environment 0g に来る! しかもばねとりこさんと共演!
ということで、聴きに行って来た。
environment 0g (以下「0g」)を初めて訪れたのは去年の 7 月、わたしたちの初ライブだった。
そのあと、10 月にもばねとりこさんと Malocculsion のライブを聴きに行ったから、今日が三回目。
ちょっと早めに着いてしまったので、ライブハウスの周辺で写真を撮りまくって遊んでいた。
アイキャッチはその中の一枚。
Delphine Dora さんをどういう経緯で知ったのか、あまりよく覚えてない。
何かの記事で “Rêver l’imperceptible” が紹介されていて、INA GRM と関係があるというところに興味を持ったので、Bandcamp で見つけて、ほんとに軽い気持ちで購入した。
それからというもの、何回聴いたかなんて数え切れないくらい、何度も何度も聴いている。
今日は彼女のアルバム “As Above So Below” を聴きながら、電車を乗り継いで 0g に向かった。
彼女の音が、こういう音が、ついに生で聴ける、という期待とともに。
しかし、その期待は見事に裏切られた。もちろん、いい意味で。
開演前から、ハーディガーディや「バネテックプロ」など、初めて実物を目にした楽器を前に、すでにだいぶワクワクしてはいたけれど。
冒頭の言葉を繰り返すが、「凄まじい」体験だった。
決して荒々しくはなく、むしろ静謐、と言っちゃうとちょっと言い過ぎな気もするけれど、暴力的ではないはずなのに、すべての演奏、すべての音に、意識を身体という鎧の中から引きずり出されて、気がついたら剥き出しにされていたような、ものすごく無防備で危うくて、でもとてつもなく心地いい……こういう感覚はどう言えばいいの?
手垢にまみれた言葉かもしれないけれど、”Where all words end, music begins.” としか言いようがない。
わたしは、聴きに行ったライブについては(基本的には)何も言ったり書いたりしないようにしている。
それは別に、言ったり書いたりするべきじゃないと思ってるとかでは全然なくって、わたしは写真も動画も撮らないし、なんなら目を開けてすらいないから。
しかも、書こうと思ってみたところで、どんな言葉がぴったりなのか、さっぱり分からないし。
なのに今、この記事を書いているのは、自分でもその理由がよくわからない。
わからないけれど、0g からの帰り道で「何か書かなくちゃ」という切迫感だけが耳や鼻や口からあふれてしまいそうなくらいに募っていて。
すごいものを見たら誰かにそれを言いたくなるような感じなのかしら。
ちがうなぁ……誰かに言いたいわけじゃなくって、ただ、自分の中にしまったままにしておけないような感じ。
「凄まじかった」だけではなくて、お友だちとの再会や新たな出会いがあったり、新しい知識を得たり、楽しいことが新しく始まりそうだったりもして、とても和やかで、とてもとても幸せな夜だった。
ドローイングにサインしてもらっちゃったし。
あの場、あの時間を作り上げてくださったすべての方々に、心からお礼申し上げます。
そして、またお目にかかれる日を楽しみにしています。