「憤怒」。
Elly がわたしに「コンセプトが決まっていると作りやすいのかもね」と言ってくれたのだけれど、本当にその通りだと思う。
コンセプト以外にも、今回のシリーズには自分の中でルールというか、制約のようなものを設けているから、よりいっそう作りやすくなっているような気がする。
シリーズ 3 作目は「憤怒」。
2 作目までは Ableton Live だけで作っていたこともあって、今回はモジュラーシンセサイザーたちと一緒に作りたいと考えていて。
ゴチャゴチャさせず、できるだけシンプルにしたかったから、Ableton Live から Expert Sleepers ES-8 経由で EarthQuaker Devices Afterneath を通して 1 トラック、別の音をAfter Later Audio Monsoon(Mutable Instruments Clouds のクローン)に通して 1 トラック作った。
音の抜き差しに Hikari Instruments Quad Switch や Mutable Instruments Branches を使ったり、Monsoon に Ornament & Crime からローレンツ・アトラクタの CV を入れて動きを出したりしたけど、あとは音を聴きながら納得いくまでノブをいじって、録音。
今回は、録れた音を Ableton Live ではいじらずに、Studio One に並べてから加工したり、切り刻んでみたり。
このやり方が最良かどうかはわからないけれど、いつも作り始める時点でだいたいの工程は見えていて。
いつもはこうやってるけど今回はこうしてみようとか、チャレンジや学びも含めたところで、工程を見通しながら制作できるようにはなってきた。
以前は全部行き当たりばったりだったことを思うと、多少は成長できているのかなあと思ったりしてるけど、どうなんだろう。
Monsoon を通して作ったトラックがなかなか自分のイメージと合わなくて、このエフェクトを通したらどうだろう、これも重ねてみようかしら、とやってもやっても納得のいく音にならなくて。
こうでもないああでもないといろいろしている中で、あっ!と思う瞬間があって、ごちゃごちゃと重ねていたエフェクトをどんどん抜いていったら、納得のいく音がそこにあった。
あのときの「あっ!」はいったいなんだったんだろう。
言葉になるようなアイディアでもなく、理屈や理由も、根拠もなく。
ただ、「できてるから、これとこれは抜いてもいいよ」と誰かから言われたからそうしたような、そんな感じ。
こういうことがあるからやめられない、というのは確実にある気がする。
というわけで、新作 “ira” です。
そういえば、アルバムアートもいつもの Photoshop ではなく、iPhone で遊んでたらスルッとできてしまったんだった。やっぱり不思議。