高慢と偏見

なぜと問われると明確な理由なんて何もないのだけれど。

どういうわけか、アメリカよりもヨーロッパの方が好きな自分がいる。

わたし(たち)は Second Life という仮想世界を活動拠点にしていて、そこでアバターという形で蠢いている自分は、他の人がどう思っているかは知らないけれど、わたしにとってはわたしの alter ego で。
で、その alter ego には、アメリカに住んでいる友だちが一人もいない。ほぼ全員がヨーロッパ。あとは日本を含むアジアに住む人たちが数人。
もちろん、アメリカ人と話す機会もたくさんあるけれど、友だちになりたいと思う人は、少なくともわたしには、いない。話して意気投合して友だちになってみたらヨーロッパの人、というケースばかり。

シンセサイザー、なかでもいわゆる「ガジェット系シンセ」についても全く同じで、「うわ、この音!すごい、なにこれ」と思って調べると必ずヨーロッパかロシアのメーカー。もちろん、基本的なモジュールについてはアメリカのも使っているけれど、「必要だから」ではなくて「面白いから」という理由で使っているモジュールやハードウェアは、ヨーロッパか日本のもの。

最近は、購入した音源を聴いていないときはインターネットラジオを流していることが多くて、気になったアーティストとタイトルはメモ帳にコピー&ペーストして、音源を買うときの参考にしているのだけれど、聞いていて気持ちいいだけではなくって、何かが妙に気になってしかたがないアーティストも、調べてみたらヨーロッパの人たちだったりする。

降り積もった歴史の厚みの差だとか、後付けで理由はいくらでも付けられるけれど、そういうことはもちろん何の関係もなくって、でも偶然だと片付けられないほどには、自分の中に「偏愛」のようなものがある気がしていて。
地域による文化的な何らかの傾向あるいは偏在は絶対にあると思うのだけれど、その中身や理由を推察できるほど博識ではない自分が、なんというか、情けなくもあり、忌々しくもあって。

彼らとわたしの間で共鳴するコードの正体を、これからも考えたり調べたりしていきたい。
その過程はきっと面白い発見の連続であるはずだから。

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