初めてのコラボレーション。
Bandcamp でわたしの音を気に入って購入してくれた方がいて。
その人とは Instagram でもつながっていたから、メッセージで感謝を伝えて、その人の音も Bandcamp で購入して聴いてみたりもしていて。
ニュージーランド(マオリ語では Aotearoa)のアーティスト Ritual Heaps さん。
モジュラーシンセサイザーで、胸に迫るようなノイズを作る人。
前のブログにもマスタリングを待っているところだと書いたけれど、一緒に何かやろうよという話をしていて、まずは 1 トラックずつ持ち寄ってダブルネームでリリースしようということになった。
マスタリングは彼のお友達に頼むということだったので、わたしはアルバムアートとタイトルを作って。
先日、無事にお互いの Bandcamp でリリースすることができた。
彼がモジュラーシンセ奏者だということは Instagram などで見て知っていたので、わたしもモジュールたちと一緒に作った音をトラックにしたいと思っていた。
“ira” を作ったときに、Ableton Live で録音し終えたあとの残響音がおもしろくて、20 分くらいかな、After Later Audio Monsoon(Mutable Instruments Clouds のクローン)のノブとスライダーをぐりぐりして、遊んでもらっていたときの音。CV は Ornament & Crime から入れてたんだったかな。
出音を他のモジュールにはまったく通してなくて、Monsoon のフィードバックとリバーブだけいじっていて。
Ableton Live に録音してからもエフェクトなどは全くかけずに、Studio One でトリミングをちょっとしただけ。
同じ音が二度とできないというのはいつものことなんだけれど、今回は特に、ライブというか、思いつくままにいじった結果だから、本当に二度とできない。
二度とできない上に、ひとりでただワーキャー言いながら遊んでただけだから、こんなのでいいのかしら、ダメって言われたら別のトラック作ろう、などと考えながら、おっかなびっくりニュージーランドに送ってみたら、びっくりするくらい喜んでくれて。
あとから Elly に聴いてもらったときも、すごく興味深いイメージを彼女の中に喚起する音だったみたいだし。
結果オーライな感じは否めないけれど、誰かに気に入ってもらえる音を作れたのなら、単純にそれはうれしいこと。
Ritual Heaps さんとは、次もまたやろうという話になっているので、どんなことをしようかなとぼんやり考えながらワクワクしたりしている。
しばらくはダブルネームでのリリースになるんだろうけれど、タイトルを先に決めてから作る、なんてのも面白そうかなあとか。
むしろ言葉を一切使わずに、音のやりとりで「文通」するとか。
変なアイディアはちょこちょこ思い浮かぶので、提案してみようと思っている。
というわけで、Ritual Heaps / Miss Canine Hoe の新作 “Buds” です。
アリストテレス哲学で言えばデュナミスのような、未分化で、どんな花が咲くのか分からない「萌芽」という意味をタイトルとアルバムアートに込めたつもり。