March came in like a lion, but went out like a lamb.

ライオンの顔でやって来て、ひつじの顔で去っていく。

またやたらと音を作り続ける日々が到来していて。
毎日のように作っては Elly に投げつけて、「また作ったの!?」と驚かれている。
2 つストックができていて、それでもなお作りたいという気持ちが湧いてくる。
好きな映画からサンプリングした音を使って何かできないかと思って、モジュラーシンセサイザーたちと遊び始めて、あっという間に数時間が経ったけれど、どうもしっくりこなくて。
Manhattan Analog Discrete SVVCF の面白さに気付けたのが収穫だったけど。
地味な見た目だからって、なめていた……できる子だわ。

今夜は諦めようと思って、モジュラーシンセサイザーたちに音を流し込んでいた Ableton Live の停止ボタンを押して、しばらく画面を眺めていたらアイディアが浮かんだので、ためしにやってみようと思って手を動かして。
そういえば Roar とかいう新しいデバイスが 12 で追加になったってどこかに書いてあったのを思いだして、探して使ってみたりしているうちに、今の気分にしっくりくるものができた。

一晩寝かせて、仕事に行く道で聴いて、Elly にも聴いてもらいながら考えていたんだけど、わたしは音を作り始めるときに持っているイメージがぜんぜんはっきりしてない。
世の中の人がどの程度具体的なイメージからスタートするのかは知らないけれど、わたしは、リズムを感じる/感じない音、とか、ちょっとうるさめの音、とか、すっごいノイズ、とか、おだやかな音、とか、それくらい漠然としたイメージでスタートしてる。
使いたい音があるときはもちろんそれをサンプリングするところから始めるけど、それすらなくて、サンプルパックを掘り返して気分に合う音を見つけて、そこから始めるときも多いし。
きっと世の中の人は、作りたいもの(イメージ)があって作ってるんだろうなあと勝手に想像するんだけど、わたしは、作りたいものがあるんじゃなくて、作りたいという気持ちだけがある。
でも、音なら何でもいいわけじゃなくて、できあがりにゴーを出すかどうかの判断基準は自分の中にある。
あるんだけど、それはうまく言葉にできない。「しっくりくる」とかそういう感覚でしかない。

できあがったのはちょっとうるさめの音。
いいねいいねと言ってくれる Elly に、タイトルが決まってないのよねと相談したら、提案してくれたのがこの記事のタイトル。
これだ!と思ったのと同時に、だったら同じサンプリング音源からもう一つ、もっとおだやかな音も作ろうと思い立った。カンマの前と後では、音も違うはずから。

パッチングをああしようこうしようと考えながら、てこてこと仕事から歩いて帰って、ふたたびモジュラーシンセサイザーたちと向き合う。
Ableton Live は オーディオだけじゃなくて CV も作れるのがすごくありがたい。
最近はエンヴェロープフォロワーがお気に入り。今回は gate に変換して使ってみた。
しばらく一緒に遊んでいるうちに、思っていたような音ができた気がしたので、Ableton Live に取り込んでから Studio One で少し手を加えて、完成。

また一晩寝かせて、仕事に行く道で聴いてみて。
Elly にも聴いてもらって、気に入ってくれたので、前後半というか、A 面と B 面というか、そういう形で出そうと二人で決めた。
Ableton Live とモジュラーシンセサイザーとで、同じ音源から全然違う風に作り込んでリリースしてみたいという気持ちはずっとあったので、やっと実現できてうれしい。

というわけで、新作 “March came in like a lion, but went out like a lamb.” です。
まだまだ作るぞー!

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