severance

さみしがりやのひとり好き。

何かでこのタイトル「さみしがりやのひとり好き」を見たときに、まさにわたしのことだと胸を突かれたのを覚えている。
さみしくても、さみしいと言えたことが、ほとんどないような気がするけど、それは気のせいなのかもしれない。
本当はさみしいさみしいっていつも口にしていて、口癖になっているから覚えていないだけ?

……何を書いてるんだ、わたしは。夜明けの変なテンションは怖い。

始めたら大事になりそうな模様替えが面倒くさくって、あり合わせ? 間に合わせ? 的に、部屋の一角を無理やり空けて音の実験スペースを作ったものだから、モニタースピーカーをモジュラーシンセサイザーと PC で 2 組使うという、なんだかよくわからない非効率な状況になっていて。
Focusrite Scarlett 18i20 はボタン 1 つでスピーカーを切り替えられるから、楽しくて毎日ポチポチしていたら、モジュラーシンセサイザーの出力に使っていた方の古いペアが今日壊れた。

もうかなり古かったし、Amazon でめっちゃ安いからという理由だけで選んだものだし、出音もあまり好きじゃなかったし、どうせ最後は PC で使ってる Presonus Eris E4.5 で確認するし(このモニターの音はめっちゃ好き)、奇怪な音をスピーカーから出して近所迷惑じゃないかしらとずっと気にしてもいたから、これを機にしばらくあの子たちとはヘッドフォンで遊ぶことにした。
たまったポイントで安く買えた AKG K240mk2 がけっこうお気に入りで、前から使っている audio-technica ATH-PRO500mk2 と気分で使い分けてる。
ATH-PRO500mk2 も楽器屋さんで新品が叩き売られてるのを安く買ったんだった……生産中止になったのかな。

Eris E4.5 は大好きなんだけど、置き方を間違えている気がしてならなくて。
ディスプレイを 3 枚使ってるからスピーカーを置くところがそもそもないんだけど、このままじゃ双子の Eris がかわいそうだから、ちょっと調べてなんとかしたい……島村楽器で今度訊いてみよう。

Ableton Live と毎日戯れるのは今のところ楽しく続けられていて、オーディオを何度書き出してもファイルの中身が無音というバカみたいなミスも乗り越え、0.11 %くらい使えるようになった気がしている。
ハードウェアシンセサイザーでもないのにいくら頑張っても音すら出ないとか、自分のポンコツさには苦笑しかないけど、セッションビューとアレンジメントビューの使い分けとか、ちょっとずつ、ものすごくちょっとずつだけど、分かってき……てるのかな。

横川理彦『サウンドプロダクション入門 -DAW の基礎と実践-』にもいろいろと助けてもらってます。
しかもいろいろ勉強になるし、まず面白い。
今、リンクを貼ろうとして知ったんだけど、推薦コメントが大友良英!
ターンテーブルにシンバル乗せて、それごと鷲掴みにして机に叩きつけてる姿が忘れられない。

でも、わたしにとって Ableton Live の一番の魅力は、 前にも書いたけど、 「あ! これ、こうしたらどうなるんだろう」って何かを思いついてパパッと手を動かしちゃったときに、思い通りに操作できていること。
「これをこうしたいときにはどうやってやるんだっけ」と悩んだり調べたり、というプロセスがない。不思議。
それと、これも前にも書いたけど、こっちの予想や思惑を軽々と越えてきて、びっくりさせてくれること。
使っているというよりも、一緒に遊んで(もらって)いる感覚。
Studio One にこの感覚はないなあ。

Live は楽器、とよく言われるけど、本当にそうなんだなって思う。
設定項目の階層も Studio One よりフラットな気がするし。

Focusrite Scarlett 18i20 の ADAT 入出力と Expert Sleepers ES-8 を介して、モジュラーたちと Ableton Live を組み合わせるのも試してみた。
できる人には当たり前なんだろうけど、モジュラーの実機と DAW が VCV Rack みたいにつながったときは、すごく感動して、思わず変な声が出た。「うふへ」みたいな。
こういう感動は忘れずにいたい。当たり前じゃない、すごいことだと思うから。

そんなこんなしながら、新曲作ってました。
タイトルから始めるのはいつものことなんだけど、いろいろあって、ほんとにいろいろあって、いまのわたしにはこのタイトルだし、この音だなって思ってる。
19世紀半ばに作られて、イタリアの山荘で腐りかけていたアンティークピアノ。
サンプル(Jason Grier さんが作ってくれたもの)を一つずつ聴いているだけで涙が出てきました。
決して嫌な感じではなくて。でもすごく、グラグラ揺さぶられて。

プロイセンのフリードリッヒ大王が、ジルバーマンのピアノ=フォルテをいたく気に入って、15 台も買い集めて。
今ではそれがまったく使えない状態で、宮殿のあちこちに放置されてるっていうバッハ伝の話を思い出したり。
ホフスタッターの『ゲーデル、エッシャー、バッハ』で読んだんだった、はず。

そういえば、チェルノブイリで被曝したピアノの音を収録した音源があるって聞いたことがある。欲しい。

というわけで、新作 “severance” です。3 曲ひとかたまり構想の第三楽章。

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