3min – Talk about Scene –

逆 featuring 。

そもそものきっかけはこの post との出会いだった。

今年 8 月のライブで松本さんと出会ってから彼のアカウントをフォローさせていただいたので、この post を読んだのもそのあと、つまりこの作品が発表されてからだいぶ後になるのだけれど。
彼がとある美術展に誘ってくれたとき(展覧会で見た映像は素晴らしいものでしたし、そのあとの会食もとても楽しかったです。ありがとうございました!)に、図々しくもこの作品を貸して欲しいと申し出て、別れ際に受け取った現物が、今もまだ目の前にある。現物というか、本物。
これを音にしたいと思ったから、図々しさを全開にしてしまったわけだけれど、それが、「なくなった」「カセットテープ」に録音されていた音なのか、「3分話をする感じ」を表した音なのかは、借りた段階では全くイメージできていなかったし、これを書いている今、つまり音と映像を作り終えた今も、どっちなのかよく分からない。

お借りした作品を手に取り、四方八方から眺め回しながら、イメージをふくらませていきつつ、一方でこの post も何度も読んで、刻まれている詩も何度も読んで。
そんなこんなしながら、あふれ出してくるものを掬い取って音に仕上げたのが、たしか先月だったはず。
何年か前に近所で夜明け前に録ったフィールドレコーディングの音と、最近手に入れたハイドロフォンを炭酸水の中に突っ込んで録った音とを使った。

そのあと、仕事や私事でバタバタしたり、スタジオセッションしたり、思いがけないオファーに喜んだり、Processingの勉強を始めたりしながらも、映像も作りたいという思いはずっとあって。
Processing で作ってみた generative なアニメーションを何の気なしに Premiere Pro で重ねたり色を変えたりして遊んでいたときに、「あ! ここからいけそう!」と思えたので、撮りためてある写真からレイヤーを選んで、一気に映像を作ったのが、ついこないだ。
そのあと、松本さんから提供していただいた素材も使って、もう少しふくらませて、完成。

音にしても映像にしても、まずは Elly に聴いたり観たりしてもらいながら、自分でも少し冷静な目や耳で振り返るのはいつものこと。
この過程を経ることにはけっこう大きな意味があって。
できたものはまず初めに Elly に聴かせたい、観せたいという思いはもちろんあるわけだけれど、できた直後の「わーい♪できたできた♪」という高揚感からちょっと距離を置けるし、Elly の審美眼をわたしは心の底から信じているので、そのフィルターをくぐらせるという作業の持つ意味は、わたしにとっては計り知れない。

というわけで、新作 “3min – Talk about Scene – (gnirutaef Kazuhito Matsumoto)” です。
美しい作品を制作の素材とすることを快諾してくださった松本和史さんに心からの感謝をこめて、「逆 featuring」とさせていただきます。

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