心惹かれる悪魔。
アルバム “septem peccata mortalia +” を作っているときに、7 つの大罪はもちろんのこと、そこから芋づる式にいろいろ調べたり読んだりしていて。
その中で、怠惰と好色を司る悪魔 Belphegor に妙に心惹かれた。
まず、その姿が何とも言えずいい。じわじわくる。
1030 + 666 × 1014 + 1 は「ベルフェゴール素数」と呼ばれているけれど、ベルフェゴールの名が冠されているのは、彼が「7 人いる地獄の王子のうち巧妙な発明や発見の手助けを任されている 1 人」だから（これも Wikipedia より）だそうで。
あんまりそうは見えないけれど、どうやら多才な人（？）らしい。
体調があまりよくないこともあって、一時期ほど音作りに夢中になることができずにいるんだけれど。
バージョンアップの通知が来たからかな、何かちょっとしたきっかけがあって……あ、ちがう、ダウンロードしたけど使ってない M4L プラグインがたまたま読んだ記事に出てきたから、それを使ってみようと思ったんだ。
件のプラグインに LFO を絡ませて、いつものように自分では制御できないランダムな動きをさせておいて、その上に音を重ねていく。
もちろん、最終的には 1 つのパターンに固定されてリリースされるわけだけれど、再生ボタンを押すたびに、毎回違うテクスチャが表れるというのは、もはやわたしの音作りの定番というか、絶対に欠かせない要素になっている。
そうじゃないと面白くないからっていう理由でしかないんだけれど。
そんなこんなしながら遊んでいるうちに、何となくできたような気がして。
タイトルはほとんどの場合、できた音からの連想で決めるので、聴きながらリストを眺めて “Belphegor” にしようとあまり深く考えずに決めて、Studio One で 2mix を作って、Elly に聴いてもらった。
そうしたら、Elly はことのほか Belphegor に深い思い入れがあったようで（以前に教えてもらっていたけれど、もう一度聞くまで忘れていた……ごめんね、Elly）、しかもこの音もすごく気に入ってくれたので、こちらも一気に気分が上がって、Elly の出してくれたアイディアでジャケットも作って。
一晩寝かせて聴き直して、気になるところを直してまた Elly に聴いてもらって、完成。
そこからまた、あまり体調のよくない日が続いているので、リリースが遅くなってしまった。
同じ素材を使って全く別の音を作って、1 と 2 にしようかなとも考えていたんだけど、この調子だといつになるか分かったものじゃないから、とりあえずこれは先に出そうと。
次のアルバムのことも、アイディアだけはポロポロ出てくるんだけど、気持ちと身体が追いつかない。
でも、この音は、次のアルバムの 1 つ目に入れるつもりです。
というわけで、新作 “Belphegor” です。楽しんでいただけたら、うれしいです。
