STIC

フィルター大好き。

“severance” で使ったピアノ音源が、なんだかひどく気に入ってしまって、モジュラーたちと遊ぶネタにしようと思って、ラックと向かい合った。
Expert Sleepers ES-8 をオーディオインターフェースにするのがどうしても気乗りしなくて、ADAT とアナログ信号のコンバータとして使っている。
まずは Ableton Live との音声のやりとりができるように、Focusrite Control と Ableton Live と三すくみでにらめっこ。
こういうのを一つひとつ確認しながら、「あれ? 出ないな……おお、出た!」ってしていくのは、けっこう好き。

モジュラーシンセサイザーの音が Ableton Live に録音できるところまで確認して、さあいよいよピアノ音源……のはずが、Benjolin と遊び始めてしまった。
しかしこの Benjolin は、暴れん坊というか、きかん気というか、なんなんだお前はって言いたくなる。
こないだの AMCJ “Ableton and Max Modular Fes 2021” のアフタートークでも「モジュラーらしいモジュール」と話題に上っていたけど。
Cinematic Laboratory の動画(どれもユーモアがあって楽しい上に勉強になる)だったかな、「うまくいったように見えるけど、偶然だからね」みたいな字幕が出て、初めて観たときは笑ったけど、使ってみるとよくわかる、うん。二度と再現できない。

遊んでいるうちに面白くなってきたので、フィルターやら LFO やら Clouds やらとパッチングをしてみて。
ふと、Benjolin が奏でているのではないメロディのようなものが小さく聞こえて、「!」ってなって、手を止めた。
LFO に合わせてフィルターが鼻歌を歌っていた。

フィルターって、歌うんだ。

それならもうちょっと鼻歌らしいのを歌わせてあげようと思ったときに頭に浮かんだのが、ローレンツ・アトラクタ。
真っ先に思いついたのがこないだダウンロードした M4L デバイスだったので、Ableton Live から CV をフィルターに送ってみる。
Ornament & Crime でも出せるのをあとで思い出した。こんどは使ってあげよう。

遊んでいる間、ずっと Ableton Live に録音してもらっていたので、ひとまず切り上げて聴いてみた。
フィードバックが好きなのはいいけど、やり過ぎた。
遊んでいるときはあまり感じなかったけど、聴き返すと耳に痛いような感じ。
これはもう完全にわたしのせい。当たり前だけど、あの子たちのせいじゃない。
次はもう少し控えめにしよう。なんでもすぐやり過ぎちゃう。

書き出したファイルを Studio One に放り込んでもう一度聴いてみる。
やっぱり耳に痛い。
ステレオに広げつつ、EQ とひたすら格闘して、何とかなった……のかなぁ、これ。なってないよなぁ。

EQ ってよくわからない。
じゃあ何がわかるんだって言われると何もわかってない気がするけど、でも EQ はよくわからない。

たぶん、よくわからない原因は二つあって。
ひとつは、いろんな人が EQ について、似たような口調で語っていること。
定石とかテクニックとか tips とか。これができてこそ! みたいな言い方がみんな好きだし。
そういう風潮というか口調というか、どうしてもアレルギー反応が出て、記事の中身を素直に読めない。
謙虚じゃないんだよなぁ、わたし。

もうひとつは、いつ終わればいいのかわからないこと。
自分が「もうこれで OK!」って思ったときが終わりなんだろうけど、いつまでたっても「うーん、これで OK なのかなぁ……」って逡巡してしまう。
「音はかくあるべし」という基準が自分の中に、あるいはリファレンスとしてあって、それと今聴いている音が合っていると判断できる耳もあって、はじめて「これで OK!」って言えるのだろうと思う。
あるいは、「うん、この音!できた!」という(ある意味無根拠ではあるけれど)納得感。
せめて後者を、と思うけれど、モジュラーシンセサイザーと遊んでいるときは特に、納得感すら得るのが難しいことが多い。

本当は、そうやって手詰まり感が満開になった時点で、あの子たちに遊んでもらっている時にすでにポンコツが露呈していたことを素直に認めて、初めからやり直すべきだったのだろう。
次からはそうしよう、うん。

EQ をいじっているといつも、フィルターはあんなに楽しいのに、EQ はどうして楽しくないんだろう、と思う。
フィルターのことをもっと知りたいってすごく思うけど、EQ のことをもっと知りたいとはまったく思わない。まずい気しかしないけど。
あ、そうか。
だから、EQ のお世話にあまりならなくてもいいように、フィルターともっと徹底的に遊びまくるべきなのか。
そうすれば楽しいし、あとからウンウン唸る必要もなくなりそう。
次からはそうしよう、うん。

なんだか反省だらけの投稿になってしまいました。
「ああ、楽しかった!」で終われるように、精進しなくっちゃ。

というわけで、新作 ”STIC” です。
Sensitivity to Initial Conditions「初期値鋭敏性」を勝手に略しました。

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